ピザ窯(石窯)料理の基本テクニック

  • 1,扉を開けたまま、薪を燃やしながら焼く

    ピザやフーガス、フォカッチャ、チャパティー、ナンなどの平べったい生地は、扉を開けたままで薪を燃やしながら生地を焼きます。キッシュやグラタンなどもこの方法で焼きます。例えば薪の右隅で薪を1,2本トロリと燃やし、ちょっと距離を取って生地を2,3枚焼くといった感じです。 ピザ窯(石窯)はあくまで、熱を蓄えて使うのが原則ですから、窯が熱くなってから生地を焼きます。目安は煤切れです。床に散らばった熾火を脇に寄せて、濡れたモップで灰を拭き取ってから生地を直に焼きます。 こうしたメニューは、他のパンと同じように予熱だけでも美味しく焼けますが薪を横で燃やしながら生地を焼くと、次から次へ続けて作業ができ、ほどよい焦げ目がつけられます。生地がプーッと膨らむ様子が見れるのも楽しいものです。 ただし、直火に近すぎると、外ばかり焦げて中が生焼けの、いわゆる焚き火料理になってしまいます。薪の炎は、料理のためではなく、薪を冷やさないのが約目です。 それでもピザ焼きで時間を取りすぎると窯の温度が下がってしまいがちです。ピザを焼いてから予熱でパンをやくのならば、もう一度薪を30分ぐらい強く焚いて、温度を回復してから予熱の調理に進んで下さい。 尚、普通のパンは、薪を燃やしながらの方法では焼けません。あくまで扉を閉めて予熱だけで焼きます。

     

       

  • 2,予熱(輻射熱)で焼く

    輻射熱は、大きな素材の芯まで通るので、芋やかぼちゃ、はては七面鳥など、普通のオーブンなら数時間かかるか、あるいはムリなものまでも焼き込んでくれます。焼く直前に水蒸気を窯の中に充満させるのが火通しを良くするポイントです。小さなスープ皿に水を張って片隅に入れておくだけでも効果があります。

    ところで連続燃焼方式でない場合、ピザ窯(石窯)はだんだん温度が下がっていきます。温度の高さによって以下のように調理するものが変わってきます。

    A.一番窯:一番最初の熱い状態

    手を入れて3秒ぐらいは我慢できなくなる。約250℃。

    田舎パンやチキンなど、大きな素材を入れる。小さいものや砂糖の入ったものは焦げやすい

    B.二番窯:やや温度の下がった状態

    手を入れて5,6秒は大丈夫。約200℃。小さめのパンや砂糖の入った生地など。

    C.三番窯:じっくり煮込みたいもの。燻製など。200℃

    以上はあくまで目安です。手を入れたときの温度というのは窯の『気温』ですから、窯の力そのものではありません。大きな窯ほど身体に熱をたっぷり蓄えているので、手をいれてぬるく感じても、パワーはあります。

     
  • 3, 蒸す(一番、二番窯)

    竹の中華せいろが便利です。平底の器(ボウルなど)に水を張り、そこにせいろを乗せてピザ窯(石窯)に入れるだけ。野趣を味わうなら、素材を竹や笹の葉で包んで麻のヒモで縛る。湯を張った土鍋に金網を渡し、そこに素材を乗せてピザ窯(石窯)へ。

     
  • 4, 燻す(二番、三番窯)

    燻製、なまり節など。窯が温もったところで、煙りを出すチップと素材を窯の中で同居させる。連続燃焼方式ならば、燃料室で煙りを焚いて燻せば良い。ピザ窯(石窯)は火通りがよいので。燻す時間も早くでき、味がよくしみる。煙突が燻製室を兼ねるようにしてつくれば面白いでしょう。

     
  • 5,低温で煮込む、焼き込む(二番、三番窯)

    これまたピザ窯(石窯)の得意技。ピザ窯(石窯)は使い終わっても長時間温かいのので、その予熱を利用して料理をします。低い温度で長時間じんわり味を引き出すので、アクがでることもない。ありふれた素材を驚く味に仕立てるのがピザ窯(石窯)の妙味なのです。

     
  • 6,煎る、焙煎する(三番窯)

    ピザ窯(石窯)の輻射熱は遠赤外線ですから、焙煎のためにあるようなものです。窯に手をいれてもしばらく大丈夫くらの低温で使います。鉄板か脚付き金網に素材を乗せてピザ窯(石窯)に入れるだけ。玄米や大麦なら、鉄板に広げて焙煎できます。